Nilkantha shiva

Shivaになった私の絵を描いて欲しい。とのリクエストで制作。


ニールカンタ(青い喉の)シヴァ。

神々が力を合わせて不老不死の霊薬を作ったのだけど、それを独占したいという欲が生まれたためにその霊薬が毒に変わり、世界が滅びようとしていたが、シヴァがその毒を飲み干す事によって世界が救われた。というインドの古い伝承があります。

シヴァの体内に人間達の世界があり、その世界が毒に侵されないようにシヴァの妻パールバティが首を絞め、毒が体までまわらないようにしたという話も。

シヴァの喉はその時に青くなりましたとさ。


シヴァは様々な姿で表されるけれど、私はニールカンタシヴァに一番惹かれてる。

(横向きで、盃を口につけている姿でよく描かれています)

インドにいた頃にニールカンタシヴァの絵を探していたこともあるのだけど、しっくりくるものが見つからないままずっと心の中でニールカンタへの観想を続けていた。

それがふと今こうして絵の中に現れてくれたことが、とても嬉しい。


頭の上の蓮の花は女神ガンガーの象徴。水が出てるでしょ。

ガンガーとはインドを流れるガンジス川の化身。

伝説によると、元々地上に川はなく、ガンガー女神は人間界の魂の浄化のために宇宙から地上へと降ろされる事になりました。

しかし、その大きすぎるエネルギーを直接地上に降ろしたら大地が壊れてしまう。

そこでシヴァは、自分の頭上でガンガーを受け止め、ガンジス川はシヴァの頭頂から地上へ注がれる事となりましたとさ。

そんな言い伝えもあり、実際にインドでは、ガンジス川の源流をはじめいくつもの川の源流にシヴァの名がつけられているのです。


シヴァは神様いち、丈夫なんだと思う。

体を張って世界を守る、みたいな逸話がいくつもある。

毒を喰らっても踏み潰されてもその姿は穏やかで、その動機は献身愛に満ちている。そんなシヴァの強さと優しさがこの絵に宿れば良いなぁと思います。

シャンク(法螺貝)とダマル(太鼓)は音での浄化をイメージしてる.

三日月もシヴァの象徴。

新月になる手前の最後の明かり。月がだんだん欠けて新月になるように煩悩が無くなっていくさまを表しています。

火はヤグニャの、祈りと浄化の炎。

そして、化身である蛇に護ってもらってる♡

手のひらを前にしたこの手の形はアバヤムドラーという印。鎮めること、恐怖を取り払うこと、保護すること、そのエネルギーをあらわした形。

ブッダが使っていた印だそう。

守ってあげるよ、っていう、神様からのメッセージ。


シヴァのエネルギーに触れていると安心する。

シヴァのもたらす破壊は恐ろしいものではないと思ってる。

四季と同じ、ただの終わりとはじまりのサイクル。それは命そのもの。

日本語で破壊、って言われちゃってるからそういうニュアンスで伝わりがちだけど、それはインドではあまり強調されていない気がする。

うわべの破壊ではなく、もっと原始的で根源的なことわり。

シヴァが終わらせて始まらせるのは、深い愛と慈しみによるもの。

シヴァがどんなかたちで愛を表出させているのか?

それを、終わったものたちから、感じてみたらいい。

その気付きをシヴァと呼ぶこともできるだろう。

そこに瞑想し、祈ればいい。そう私は思ってる。

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